2019年10月08日

利食い千人力=犬丸正寛の相場格言

利食い千人力 仮に、買った株が100万円儲かっていようとも、利食いして利益を確定しないと、本当に儲かったことにはならないので、欲を出し過ぎないで利食いすることの大切さを説いている言葉です。
 儲かっていても、それは、あくまで評価益であり、含み益であり、非常に流動的なものなので、もしアメリカで起きた同時多発テロのような突発的な大きい悪材料が出たら、含み益は吹っ飛んでしまいます。
 とくに、現物株投資に比べ、リスクの大きい、お金を借りて株を買う信用取引においては、相場見通しに迷いが出たら、利益の出ている間に利食っておきなさいと強く教えています。
 1000円の株を1万株買うと購入代金は1000万円ですが、信用取引の場合、通常は30%の300万円を担保に差し入れて、1000万円相当の株を買います。
 もちろん、借りたお金には、結構、高い金利がかかります。もし、この例で、買った株が1000円から700円に下がったらどうなるでしょう。自分の能力範囲で買う現物投資なら、「あー、あー、下がったか。上がるまで待つか」と、自分さえ納得すればすみますが、信用取引ではそうはいきません。ある意味で、借金取りより厳しいのが、信用取引の担保切れによる「追証」の要求です。
 株価が300円値下りすれば、1万株ですから300万円の損失です。差し入れた担保保証金300万円は吹っ飛びます。株価700円に対し、さらに30%の210万円の追加保証金を差し入れるように厳しい要求がきます。追証に応じるか、700円で売却して最初に差し入れていた300万円で穴埋めするか、さらに700万円出して現物で買い取ることになります。
 信用取引の場合は買い値から10%上昇したら売るといわれます。このことから、売って懐に入れてしまえば、千人の味方にも匹敵するという意味で、「利食い千人力」の格言が説得力をもつのです。利食ってしまえば、誰からも文句を言われることはないのです。
 戦後の高度経済成長の時代には、土地の値段は右肩上がりでしたから、借金(株なら信用買い)してでも土地を買っておけばよく、土地については「利食い千人力」の言葉は当てはまりませんで、むしろ、土地を持っていない人や企業がバカ呼ばわりされた時代でした。1990年のバブル天井で一転、土地は急落、借金で土地を持っていた企業ほど厳しい状況に追い込まれて、最悪のケースでは経営破たんとなってしまいました。個人も企業も、世の中というものは、ほどほどがいいようで、有頂天や迷っているなと思うときは、この格言を実行したいものです。

2009-06-26 17:00 に掲載の記事

posted by 相場格言 at 10:29 | 相場格言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本人が来れば天井=犬丸正寛の相場格言

日本人が来れば天井 外資系のファンド等の間で囁かれる言葉です。為替でも株でも土地でもなんでも日本人が群がって買ったら天井ということのようです。特に、昭和40年代頃の高度経済成長時代の日本人はその傾向が目立っていたようです。
 もともと、われわれ日本人には、目立たず、控えめが美徳とされ、お上や年配者の言うことは正しいと教え込まれてきました。資源のない日本が、ひとりひとり、ばらばらでは発展できなかったのです。とくに、徳川幕府の長く続いた江戸時代にこうした礎ができたといえます。ましてや、長い鎖国の反動で外国人に横文字を使われると、すぐに信じる傾向がありました。外国人投資家が買っているというだけで日本の投資家はチョウチン買いしました。「トウキョウ・キャピタル・ロード」といった、もっともらしい横文字で東京湾岸の土地持ち銘柄を買い漁って、日経平均3万8915円の富士山級の高値をつけました。
 経済大国日本を「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とおだてて、アメリカ中心地の土地を買わされて天井。彼ら外国人は、日本人を疑問を持たず、横並び意識が強く、バスに乗り遅れまいとする意識の強い国民と見ています。もっとも、最近の日本人は利口になって横文字を使って、おだてられても簡単には乗らなくなりました。それでも、「レーティング」と言った横文字を使うなど、あの手この手で日本個人投資家の懐を狙っています。イチローさんがアメリカの選手を向こうに回して戦っているように、われわれ日本の投資家も青い目の投資家に負けないようにしたいものです。早く、こうした言葉がなくなり、逆に、『外国人投資家の反対をやると儲かる』くらいの格言を作りたいものです。

2009-06-25 17:00 に掲載の記事

posted by 相場格言 at 10:28 | 相場格言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大きな上放れ、下放れには素直につけ=犬丸正寛の相場格言

大きな上放れ、下放れには素直につけ 長期間にわたって保合った相場が大きく上下に動いた時は、理屈抜きで素直にその動きについてみなさいという教えです。
 相場が保合うときは、強気と弱気が入り乱れて、上にも下にも行くことができない膠着状態のときです。それでは、どのような相場局面で保合いが出るのかをチャートで眺めてみますと、大きく分けて、(1)底値圏での保合い。(2)中段での保合い。(3)高値圏での保合い。の3場面があるといえます。
 底値圏では景気が悪いなどの理由で下げてきた相場が下げなくなった時です。この局面では依然として景気指標などが悪く、多くの人が弱気に傾いています。しかし、弱気の多い割に相場が下げなくなったことは、売る人がかなり売り切ったからです。このような局面では、『相場は相場に聞け』という格言が役立ちますので思い出してください。
 中段での保合いでは、底値圏から上昇してきた相場の上値が重くなることですが、このようなケースは安値から3割ていど上昇したときが多いようです。
 そして、高値圏での保合いは、相場が安値から2倍ていど上昇したときにみられます。経済、企業業績などのファンダメンタルズは良いのですが、投資家に「もういいだろう」という心理が芽生え、利益確定売りを出したり、カラ売りも顕著になってきます。
 このように、どの局面であれ保合い相場では、強気と弱気の見方も一理ある状態になって動きが止まってしまいます。このような保合い相場で、「大きな陽線・陰線」の足が出現したら、陽線なら強気、陰線なら弱気の姿勢をとることがいいと教えているのです。この場合、どのくらいを大きな陽線、陰線というかの決まりはありません。日経平均でも個別銘柄でも、それまでのチャートを振り返って眺めて、明らかにそれまでと違う大きな陽線、陰線が出た場合です。
 ここで気をつけなくてはいけないのは、小さな陽線、陰線で保合いを放れたケースです。保合いを放れたとみせて、天井や底値となるケースが目立つからです。景気動向が大きな影響をおよぼす企業経営においても、保合いは悩ましい局面で、この見極めいかんによって業績を左右します。

2009-06-24 18:00 に掲載の記事

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